ラピュタの古代兵器”ロボット兵”の素材について

夏になるとよく金曜ロードショーでジブリが放送され,視聴率を集めるという.先日私,全裸准教授は「天空の城ラピュタ」の放送を見た.
この作品をみて,毎回なぜか惹かれるのが”ロボット兵”という存在である!!
共感してくれる読者も多いだろう.

しかし,よくよく見てみると,物理的に不思議なシーンがたくさんある.
なんで炎に包まれているロボット兵にシータは平気で触れられるんだろう?金属だったら熱伝導で大やけどなのに…セラミックかな…」
「主砲をうけても平気な強度を有するのかっ?!?!?」

戦闘用ロボット兵
図1 戦闘用ロボット兵

こういう感じのあのキャラクターである.
そこでなんとなくネットで「ラピュタ ロボット兵」と検索してロボット兵の詳細について調べていると,気になるものがあったのだ.
ラピュタの素材は公式に
形状記憶弾性セラミック
と記載されているのである.
ハア…
という感じであるが,私の所属学科は機械系であるから実はここら辺の話を学んでいる.ということでこのロボット兵の謎の素材,形状記憶弾性セラミックについて考察していくこととする.

まず初めには??なんのことだよ…というあなたのために
”形状記憶性” 弾性” ”セラミック”
の三つに分けて考えてこの素材について考えていきたい.

弾性とは
ある材料を変形させたときに,ある程度の変形の範囲(弾性域)ならば元の形に戻るよということである.

形状記憶性とは
弾性域を超えた変形をした場合,加熱処理などをすると元の形に戻るよ!!という性質である.

セラミックとは
こちらは先ほどの形状記憶性や弾性のような素材の機械的性質を表すものとは違い,材料の素材の種類の名前である.
ウィキペディアによると

セラミックスまたはセラミック英語: ceramic)とは、狭義には陶磁器を指すが、広義では窯業製品の総称として用いられ、無機物を加熱処理し焼き固めた焼結体を指す[1]。金属や非金属を問わず、酸化物炭化物窒化物ホウ化物などの無機化合物の成形体、粉末、膜など無機固体材料の総称として用いられている。伝統的なセラミックスの原料は、粘土や珪石等の天然物である。なお、一般的に純金属や合金の単体では「焼結体」とならないためセラミックスとは呼ばれない。 ”

なんだか,ムズカしそうな説明であるが,粘土を焼き固めたものと想像してほしい.
そして,セラミックの”一般的な”性質はこちらである
(※一般的というのは例外もあるからである.)

脆性,破壊靭性,熱衝撃破壊など聞きなれない言葉が並んでいるが,あまり気にしないでほしい.脆性についてわかりやすく言い直してあげよう.
脆性というのは「もろさ」のことである.『ん?セラミックめっちゃ硬いじゃん…』って思った読者の方.私も最初脆さという概念を学科で習うまではそう感じた.
この「もろさ」というのは「ちょっとひびが入ったときに全体が壊れる度合い」と考えてほしい.セラミックなんかでできている耐熱性のマグカップなんかは少しひびが入っただけでも割れる.
ガラスなんかも脆性が高いといえる.

一方で,銅100%でできている金属性のコップを想像してほしい.ひびが入ったところで全体が大きな音を立ててぶっ壊れるだろうか??変形するくらいだよね?
一般に金属は脆性が低い,延性材料と呼ばれる.まあここら辺の話はここまで.
「硬いけどちょっとしたひびに弱い」って思ってくれ.

さて ”形状記憶性””弾性””セラミック” を満たす材料は果たして存在するのだろうか???
はっきり言ってめちゃくちゃである.これらの言っていることはめちゃめちゃ硬いけど,変形できるし,変形で伸び切っちゃえば加熱処理をすればもとに戻る,形状記憶性セラミックゴムだよ!!!と言っているのだ.
しかし,iPS細胞が造られたこの時代,可能かもしれない…
と調べてみると
なんと世界の理工系の希望,MIT(マサチューセッツ工科大)が形状記憶セラミックを小さいサイズで実現していたのだ!!!( http://sustainablejapan.net/?p=4560 )(論文: https://science.sciencemag.org/content/341/6153/1505.abstract?sid=9ed912ae-aafa-4164-b109-9eaeebb17891 )

さすがにゴムのような弾性はないものの,画期的である.
ひびの原因となる結晶粒界というものをナノレベルで取り除くことにより実現したということらしい.
焼き固めた粘土のようなものが曲がるのだ.すごいぞ.これは!!wwww

劇中でもゴムみたいなシーンはないし,もうこれをナノレベルでなく,このサイズで実現できれば素材の面という意味で言えばクリアなんじゃね??と脳死で考えている次第だ!!!
むろん,それはとても難しいことなのだが…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA